乾為天(けんいてん) 〜 偉大なる天、高くして広大、創造的、満つれば欠ける、前向きに一生懸命頑張る時 〜

               -  龍が地に上がり天を目指し力蓄えつつ昇り行く姿 −






 卦辞: 乾。 元亨利貞。(けんは、げんこうりてい。 おおいにとおりてただしきによろし。)

 キーワード: 消長卦、全陽の卦、女性には強すぎる、男性健康体、多忙、金銭トラブル、車の事故、結実困難、剛健、頑固 など

 解説&運勢: 天と天が二つ重なった全陽の卦です。天高く大宇宙の元気が満ち、活気と勢いがあります。カードに現れています
          ように、龍が地に上がり天を目指し力蓄えつつ昇り行く姿を物語っている卦です。 万事前向きに高い目標と勇気を
          持って人生を開拓する時なのです。
          卦辞の「元享利貞」を全体からみますと、元は種、享は成長、利は開花、貞は実を結ぶことを表します。
          このように、終始循環してやまず、終わることのないサイクルは、宇宙の原動力であって、自然の流れなのですから、
          逆らうことのないよう、現在の器や立場を冷静且つ客観的にしっかりと見つめ、臨機応変に対処すれば、事物の変化
          する法則を掌握して目的を達成できるというのです。
          運勢的には、期待はできても実際はなかなか順調に進まない時ですので、目標に向かって冷静に根気良く努力し、
          慢心したり怠る事のないように。 自信過剰になって手に余る仕事に手を出さないよう、理想に走り、空転することの
          ないよう、冷静、客観的、威勢を張らず、妄動せず、臨機応変を心がけましょう。


     ☆初爻 - 爻辞: 潜龍勿用。(せんりゅうもちうるなかれ)

             キーワード:時期尚早、時を得ていない、大いに戒慎要す、たとえ自信があっても好機を待つべき、勢い任せで
                    前進はNG、目上との関係を円滑に など

             解説&運勢: 「潜龍」とは田んぼの中に潜む龍の姿。未熟で若い潜龍の時、力不足。時期整わず能力発揮
                      できない時。会社でいえば新入社員。まだ自分で思っているほど実力はありません。
                      いい格好をしても周囲の人も認めてくれません。このような時は、逸る気持ちを抑え、隠忍し、
                      じっと我慢して力を貯え、時期を待つ時なのです。 じっと耐えながら頑張る姿はきっと、
                      有識者の目にとまるはずですから。(小凶)


     ☆二爻 - 爻辞: 見龍在田。利見大人。(けんりゅうでんにあり。たいじんをみるによろし。)

             キーワード: 好機到来、力が認められる、世話苦労多いが目上の助力得て順調、利己的自己過信独善独行は
                     孤立失敗招きNG、物欲凶、精神的なことは吉 など

             解説&運勢: 「見龍」とは田んぼの上、地上に上がってきて眩しいほど周りが見えてきた龍の姿。
                      「やっと地上、真っ暗だった田んぼの中から顔を出した時、有識者に相談する事」。
                      会社でいえばようやく認められはじめたところです。しかし、頭角をあらわし始めたと
                      いっても、まだまだ経験不足。指導を謙虚に受けましょう。志を買ってくれる人が救い
                      上げてくれる時。(中吉)


     ☆三爻 - 爻辞: 君子終日乾乾。夕タ若。持ル咎。(くんししゅうじつけんけん。ゆうべまでてきじゃくたれば、
                  あやうけれどもとがなし。)  

             キーワード:他人を軽視して失敗、我欲を抑えよ、反省、気配り、責任ある立場に立つ、酒色注意 など

             解説&運勢: 「君子たるもの、一日中乾乾と仕事に励み、夜までコツコツ慎重に頑張れば危い地位で
                      あるが問題はない」。
                      易では課長の地位は苦労すると見ます。今は身を以って慎み本業に専念し、焦らず
                      マイペースで頑張る時。内卦の極で変化を求めてしまいがちなところですが、足元を
                      すくわれないよう注意が必要です。 気配り、休養、反省が大切。(小吉)


     ☆四爻 - 爻辞: 或躍在淵。无咎。(あるいはおどりてふちにあり。とがなし。)  

             キーワード: 分相応なら全力で当たってOK,決断や進退に大切な時、不馴れなことは慎重に、先立たず
                     賢人に従って進む時 など

             解説&運勢: 「龍が修行して池の淵から天を目指し勢いよく飛び立とうとしている時」。
                      少し飛んでみて様子を見る。まだもう一回反省し、よく見直すことが大切。しっかり整うまでは
                      慎重に。整えばゴーサイン☆ 会社では部長の姿。いくら実力が備わっても、
                      社長に睨まれて地方に飛ばされたりリストラされてはおしまいです。焦らず分限を守り慎重に
                      行動する時。目標まであと一歩です。(小吉)

     ☆五爻 - 爻辞: 飛龍在天。利見大人。(ひりゅうてんにあり。たいじんをみるによろし。)

             キーワード: 運気盛大、力を十二分に発揮、苦労のし甲斐がある、誠心を以って当たり成功、驕ると大凶 など

             解説&運勢: 龍は雲を呼び雨を降らせられるくらい立派に成長しました。「龍が天高く昇った時」。
                      時と所を得、まさに絶好調の時です。有識者の意見を聞いて行動すれば幸運を齎す。(大吉)


     ☆上爻  - 爻辞: 亢龍有悔。(こうりゅうくいあり。)  

             キーワード: 盈れば欠ける、自信過剰で退くことを忘れる時、現状維持に努めよ、行き過ぎは大怪我のもと など

             解説&運勢: 昇りすぎて極まってしまった龍の姿。満れば欠ける・・・退くことを知らず昇りすぎた龍は
                      後悔しています。進を知って退くを知らず、強気でやりすぎ、周囲から浮いてしまっている
                      姿が亢龍なのです。 考え方、進み方に問題のある時。反省し、改める時です。(中凶)



今の女性は昔の女性に比べると、社会進出が進み、結婚、出産を経ても様々な職場で才能を生かし、自信とプライドを持って
活躍しています。 それはとても素晴らしいことと思いますし、今の時代はそれが普通になりつつあることも喜ばしいことです。^^ 
SNSなどの自己紹介を拝見しましても、元気な同世代女性が沢山ご活躍され、積極的にご自分の立場や夢、希望をアピール
なさっている姿が目立ちます。 そういうプロフィールを読むと、とても嬉しくなりますし、私も頑張らなきゃ!と、励まされるものです。

自分に自信を持つということは、とっても素敵なことで、向上心にも繋がり、周囲に勇気と希望を与えることにもなります。
しかし、矢張り何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、勢いづきすぎて知らずに一線を越えてしまい、自信過剰の域に達してしまうと、
周囲に勇気や希望、励ましを与えられるどころか、敬遠されてしまうようになりますよね。

この乾為天 上爻に、亢龍有悔 という言葉が出てきます。 己の才能に溺れ、自信過剰になり、驕り高ぶって周囲が
見えなくなる姿です。 私自身、すぐ、調子付きやすく、何事もやり過ぎ行き過ぎになってしまう傾向がありますので、
常に肝に銘じておきたい言葉です。

その昔、小学生の頃、私は友達から、「マリちゃんはお洒落ね」と、褒められることがよくありました。そのうち友達から
「このスカート、どう思う?」などと、ファッションについて意見を求められるようになり、「ここをこうするともっと可愛くなるよ。」
という風に提案すると、とても喜んでもらえ、友達に喜ばれることがとても嬉しく感じたものでした。 嬉しさと共に、
自分の着こなしに自信を持てるようにもなりました。 しかしそのうち、意見を求められなくても、「あなたの今日のシャツ、
その色じゃない方がもっと栄えるのに。」ですとか、意見を求められても、「それでは駄目。もっと頭使いなさいよ。」のように、
言葉が段々キツく偉そうに変わっていったのです。 当然ですが、そうしているうちに、私にファッションについての意見を求める子が誰も
いなくなりました。有難いことに親友が、「マリちゃん、最近何だか偉そうで恐い。」と、私の高慢な言葉遣いを注意してくださり、
ハッと我が身を振り返り、自分は今まで何て偉そうな嫌な態度をとっていたのかととても恥ずかしくなり、酷い言葉を放ってしまった
ひとりひとりに謝りました。 幸い寛大な良いお友達ばかりでしたので、有難いことに許してもらえ、それを機に、自信過剰は
ふんぞりかえりのもとなのだと、身にしみて学習しました。 
祖母からも、「どんなに自信のあることでも、それを振り翳したり、高圧的な態度を取ってしまっては、折角の自信が目を背けたく
なる程下品に変わってしまうのよ。 慎み、謙虚さ、特に女性は恥じらいの気持ちを失ってはお終いです。 頭を冷やしなさい。」 
と、お説教されました。 大変耳が痛かったです。

・・・この年になり、周囲を見ますと、時折、嘗ての自分のような自信過剰な女性に遭遇することがあります。 きっと、ご自分に誇りを
持ち、自信がおありなのでしょうけど、自信を持っていることに対して、何故か苛々怒っているようにも感じます。 
「あなたはちっともわかっていない!それはそうじゃないでしょうが!」のように、私を誰だと思っているの?!的な苛立ちというか・・・
自分が一番詳しいのだから無駄口挟むなという勢いでこちらを蔑みますが、聞いている方は何故怒られなきゃならないのか
理解に苦しみ、とても疲れてしまいます。 

自信過剰になると、謙虚さや穏やかさがなくなり、知らずに口調が厳しく、刺々しく怒りっぽく高圧的で、排他的になってしまいます。
そして、人の意見を聞く耳を持たなくなり、人をいつの間にか遠ざけてしまいます。それによって、その自信は不動のものになりますが、
周りにはもう、それを振り翳す人がいません。 それは、勝利か敗北か、どちらでしょう・・・? 哀れというひとことしか見つかりません。
             
私自身をはじめ、何方にも陥る可能性のある「亢龍有悔」。 嫌な自分を見ることは、勇気のいることですが、周囲の
大切な人を失ってしまう前に、初心(潜龍)に返り、謙虚に自分を省みることは、とても大切ですよね。
                         













 

坤為地(こんいち) 〜 大地の包容、受け入れる、育む、一歩さがって進む時 〜

            − 女は弱し、然れど母は強し。 乳房も臀部も心も柔らかに神々しく −






 卦辞:坤元亨。利牝馬之貞。安貞吉。(こんはおおいにとおる。ひんばのていによろし。あんずればきつなり)

 キーワード:控えめ、地道な努力、受動的、女性の健康体、世話苦労多し、先立てば失敗、平凡が一番、寛容、内助の功
         縁の下の力持ち、After You など

 解説&運勢:坤為地は、地と地が二つ重なった全陰の卦です。母なる大地の柔らかで優しい姿。 母馬がのんびり牧草を食べている
         情景なのです。 先んずれば迷い、後るれば主を得るということで、この卦を得た時は、分を弁え、人の後ろから
         ついて行き、人の意見を謙虚に聞き、裏方役に徹した方が成功しやすい時なのです。  「我先に」ではなく
         「お先にどうぞ」という『余裕』がポイントです。英語では After you. という言葉、大好きです。この言葉を発する人の
         殆どは余裕の温かい笑みを見せてくれるものです。 例えば満員電車にギューギュー詰めになって無理矢理乗るよりも、
         次の電車を待つ余裕が大切なんですね。 慌てず騒がずのんびりと。 願いは後で叶うものなのです。


     ☆初爻 - 爻辞:履霜。堅氷至。(しもをふみてけんぴょうにいたる)

             キーワード:悪いことを小さいうちに抑止し拡大防止する時、不善の徒と知り合うことあり、独断NG,
                    衰運の気配を察知し今の内戒慎注意を怠らぬこと など

             解説&運勢:「薄い氷も少しずつ厚い氷となる。何事も前触れを推測して進みましょう」。
                      薄い氷を踏んだ時に、既にその氷が厚くなり結氷の時期が来ることを想像し、
                     用心することが要。小事が大事に至りやすい。取るに足らない言動が、いつのまにか
                     取り返しのつかない厚い氷にならぬよう、注意しましょう。物事はいきなり起こるという
                     ことはないはず。想像力が大切。早期発見、早期治療がポイント。 
                      今ならまだ間に合います。 今の内に手を打ちましょう。(小凶)


     ☆二爻 - 爻辞: 直方大。不習无不利。(ちょくほうだい。 ならわざれどもよろしからざるなし。)

             キーワード: 運気順調、力量認められ抜粋重用される、望み事意の如く通じ喜びみる、衆人の上に立つ など

             解説&運勢: 「正直で真面目な徳の持ち主」。 大地のような自然の力が備わっている時ですので
                      万事順調とします。 地味な活動が報われ信頼されるようになる時。自然の法則にさえ
                      従えば大丈夫な時ですから、今後も坤為地の精神で地道に進みましょう。(大吉)


     ☆三爻 - 爻辞: 含章可貞。或從王事。无成有終。(しょうをふくむていにすべし。あるいはおうじにしたがえば
                 なすことなけれどもおわりあり。)

             キーワード: 力あっても誇示せず謙虚に、目先の利害にとらわれず長期的な方針を以って消極姿勢で、
                     縁の下の力持ちに徹し将来幸運招く など

            解説&運勢: 「章」は知識、才能のこと。「王事」は王命による日常の仕事のこと。持っている才能、徳を
                     ひけらかさず真面目にやっていれば、目立たなくとも終わりを全うすることができる。
                     いくら才能があっても、タイミングに乗らなければ発揮できません。才能の開花、タイミングに
                     乗るまでは、地道に進みましょう。 今は一歩下がって低姿勢、消極的に進んで
                     丁度良いのです。時期尚早。(中吉)


     ☆四爻 - 爻辞: 括嚢。无咎无誉。 (のうをくくる。とがもなくほまれもなし。)

             キーワード: 大失敗もないが特に幸慶もなし、節度弁え散財に気をつける、出過ぎることなく控えめに、
                     欲を節する など

            解説&運勢:  「今は袋の口を括るようにして言動に注意し、散財を控え、平凡に過ごす事」。慎みと用心が
                      必要な時。危難に出くわした場合、言動を慎むことで過ちを犯すことはありません。
                      嚢を括る=袋の口をくくること。 言葉の不注意から災いが起きる時。お金もお財布も
                      しっかり締めて散財しないよう注意。何をするにも気を引き締めて。
                      出る杭は打たれてしまうという時。この時期に目立つ事をすると叩かれます。たとえ賞賛を
                      得られなくても難を逃れて無難です。(小吉)


     ☆五爻 - 爻辞: 黄裳元吉。(こうしょうげんきち。)

            キーワード: 力を誇らず驕らず有力な目上に従い幸慶あり、人望ある時、親睦和合をはかり事態が有利に、
                     率先せずあくまでも補佐役に など

            解説&運勢: 「黄」は、天子の色、「裳」は現在のスカートに当たり、昔は下着の飾りとして着用されて
                     いました。いくら良いスカートをはいたところで主役は上着。スカートという分限を知り
                     守ることが大切なのです。上を引き立てつつ、やるべきことはやりましょう。部外なことに
                     手出しはNG。黄裳は下につく謙遜中庸の態度にたとえ、縁起が良いとされ、「謙虚な姿で
                     従い進めば吉」となるのです。(大吉)


     ☆上爻 - 爻辞: 龍戦于野。其血玄黄。 (りゅうやにたたかう。そのちげんこう。)

            キーワード: 高望みはNG,強敵と争い損失、本分を忘れることもNG,余計な一言が多くてトラブル勃発 など

            解説&運勢: 「龍が野で戦いに挑み、血まみれになっている姿」。坤為地の精神を忘れ、上へ上へと
                     突き進み、戦い傷ついた姿を表しています。 陰は極まれば陽を生じ、陽と争わざるをえず、
                     天と地が争うという残念な結果になってしまいます。 進み方に問題がある時。坤為地の
                     精神で、良く反省し、改める時です。(凶)


  乾為天とは正反対の大変女性的な卦、坤為地。 母を印象付ける卦です。 母親の深い愛情、柔和さが香るような
落ちついた絵柄です。 柔軟で穏やか。のんびりリラックス、自然の流れにお任せする・・・というのがこの卦の
私個人的なイメージです。
人生を楽しむには、焦らずリラックスして心に滞る重圧感を柔軟に解放する事だと思います。 知る必要のある事は何であれ、
一番良い時に自然とあらわれるものですし。 今日という日を、新しい気持ちで穏やかに、牝馬の如くやすらかに過ごす・・・
境遇を作るのは、自分自身。満たされないからといって人を非難すれば、自らのパワーをも逃してしまう事になります。
常に心の中を覗いて、自分の行動パターンを謙虚に見つめなおし、深い愛をもって人に感謝し、それらの体験をまるごと
解放するのです。そうすると、自然と穏やかな人生が送れるはず・・・そう坤為地の卦は物語っているように感じます。
『先立つ時は迷い、後れる時は主を得て利あり』 ・・・ なのです☆








     








 

水雷屯(すいらいちゅん) 〜 試練、滞り、産みの苦しみ、悩み、困難、苦しみに耐え忍ぶ時、時期を待つ 〜

            − お産の痛みは希望の痛み、顔を歪め苦しみつつ無事をひたすら願う。 −






 卦辞:屯。元亨利貞。勿用有攸往。利建候。(ちゅんは、おおいにとおるていによろし。いくところあるにもちうるなかれ。
     こうをたつるによろし。)

 キーワード:物事の出発点、水難、進退ままならぬ、四大難卦のひとつ、多事多難で順調得にくい、欠陥住宅、
        骨折り甲斐がある など

 解説&運勢:屯は天(乾@男)と地(坤@女)が交わり初めて生ずる産みの苦しみを表します。 この卦は早春に厚く
         積もった雪の下から柔弱な若芽が必死に出ようと伸び悩み苦しんでいる姿ですが、雪の重圧にさえぎられ
         立ち往生しているのです。「屯」という字の構成を彖書から引くと、真ん中一本通ったL字の伸びた部分が
         下にくねくね曲がって表されています。それは草の根が曲がっている姿なのです。「U」の部分は草や木の芽、
         上の「ノ」の部分は地で、震の草が、伸びようと頑張るのですが、上卦地上にあります氷に邪魔されているのです。
          四大難卦ひとつですが、春が来れば自然に氷がとけて芽が出るので時期が悪いだけなのです。 
         なので希望が持てる悩みの時。 欲を押さえ退守して無事を願う時。水雷屯の時、もしもやるべきことがあれば
         自ら手を下さず誰かにやってもらう時とあります。今は雪解けを待ち、焦って動かず、開花への希望を捨てずに
         努力しつつ耐える時なのです。


     ☆初爻 − 爻辞:磐桓。利居貞。利建候。(ばんかんたりていにおるによろし。たてられてこうたるによろし。)

             キーワード:前途難関あり、独行不利、助言者と協力体制で、時運今だ至らず、隠忍自重し好機到来待て など

             解説&運勢:「大きな石のように、どっしりと動かず貞正を守る時。」力があっても、今は現状維持
                     に努めましょう。 動くと不利です。卦の主爻で目上の言うことを謙虚に聴き立場を
                     守っていることで頼りにされる。 周囲から立てられ長になるのは良いができるだけ
                     辞退して無難な時。(中吉)


     ☆二爻 − 爻辞:屯如。てん如。乗馬斑如。匪寇婚媾。女子貞不字。十年乃字。(ちゅんじょてんじょ。うまにのりてはんじょ。
                 あだするにあらず。こんこうせんとす。じょしていにしてじせず。じゅうねんにしてすなわちじす。)

             キーワード:艱難に負けず隠忍持久することで時間はかかるが開運に、女子婚姻に遠し、身近なものからの誘いで
                    本筋失いがち、進退ままならず埒あかない など

             解説&運勢:行ったり来たりうろうろしている姿です。馬に乗ってしつこく付き纏ってくるくる男(初六)がいる。
                     敵ではなく、求婚に来ている。しかし、六ニの相手は九五。初六にストーキングされ邪魔され苦しめ
                     られるるも六ニは貞節正道を守り、結ばれるべき九五のところへ行く気持ちは曲げません。初九を
                     冷たくあしらうことで、十年も経つと初九のストーキング、執着もなくなりここでようやく九五の
                     差し出す手を握ることができ、めでたく結ばれるのです。(ストーカーって大昔からいたのですね^^;
                     しかも10年も付き纏うとはオソロシイ執着心だわ)邪魔が去って常道に帰る・・・ めでたしめでたし。 
                     運勢的にもたとえ苦しくとも、安易な道を選ばない事。焦らずとも10年後、正応の九五と
                     結ばれるのだから。(小吉)


     ☆三爻 − 爻辞:即鹿无虞。惟入于林中。君子幾不如舎。往吝。(ろくにつきてぐなし。ただりんちゅうにいる。
                  くんしほとんどすつるに しかず。ゆけばりん。)

             キーワード:過ちに気づいたらすぐ引きかえって無難、無理に進むと損失、自己過信せず明知の人に従う時、
                     艱難の中方針誤るか、目標失い努力が空回りしがち など

             解説&運勢:「鹿狩りに行ったが案内人(協力者)がいない。林の中に迷いこんだ。こんな事は
                     もう辞めた方が良い。これ以上進んだら恥をかくことになる」。 このように、何事も
                     物事の機運を察し、深追いしないのが一番です。欲を抑えて退守することが要。
                     今は考え方、進み方に問題のある時。良く反省し、改める時です。(中凶)


     ☆四爻 − 爻辞:乗馬班如。求婚媾往吉。无不利。 (うまにのってはんじょ。こんこうをもとむゆけばきち。
                 よろしからざるなし。)

             キーワード:はじめは支障があっても後で通達、目下に求婚は吉、恋愛問題に迷うも正しい道を行き通達、
                     先方から望まれるよりこちらから望むことが良い、進退に迷うが身近な人より正規の関係者、
                     目下の有力者と協力し功あり  など

             解説&運勢:「馬に乗ってうろうろ迷っていたら、求婚してくる者が現れる。これは進めて良い。」
                     一旦は馬に乗ってでかけたものの、力が及ばぬことを知りまた引きかえしている様。
                     協力(初九)が大切な時。人に求められて行う事は良い時です。縁談も先方から
                     求めて来る時は吉。(中吉)


     ☆五爻 − 爻辞:屯其膏。小貞吉。大貞凶。(そのこうをちゅんす。しょうていはきち。だいていはきょう。)  

             キーワード:隠忍し、好機を待つ時、ほしいものが手に入らず不自由な時、無理をすれば挫折、分相応なら通達
                     気持ちはあっても資材不足で思うようすすまない など

             解説&運勢:軟膏を塗ったところ、全体に綺麗に塗れず一箇所に固まってしまった様子。
                     小さな日常的な事なら吉ですが、大きな転職、結婚、引越し事は凶。何事も
                     思うように進まない時です。 今は大きな事に手を出さない方が無難です。(小吉)


     ☆上爻 − 爻辞:乗馬班如。泣血漣如。(うまにのりてはんじょ。きゅうけつれんじょたり。)

             キーワード:時運に恵まれず艱難の極に達し、嘆き悲しむ、艱難窮まり少しずつ開運にすすむ兆しあり、
                    鬱になりやすいので気分転換を上手にはかる時、人間関係の断絶で人間不信、閉鎖的に、
                    新しいことに手出しせず誠意を以って現状好転に努める時、いたずらに嘆き悲しまず希望を持って
                    艱難が解けることをひたすら待つ など

             解説&運勢:「漣如」はひっきりなしに泣く事です。 水雷屯の動いてはならない時、無理に馬に
                     乗ってうろついていたので窮地に。進退に困り果て血の涙を流し叫んでいる惨めな様を
                     表しています。しかし、悲しみのどん底に今を耐えぬけば、やがて道が開けます。
                     もうちょっとの辛抱の時です。 良く反省し、方針の転換を計る時です。(大凶)

   
  この卦を得ると、私は妊娠、出産を思い出します。(お産は死ぬほど苦しかった〜!)陰と陽、天と地にとってはじめて
生ずる産みの苦しみを表す卦ですし、人間でいえば男女が交わり始めての試練のように連想します。 
苦しんで苦しんで、無事産み終えたからといって、そこで終わりではなく、やっとそこから喜びの第一歩、始まり、
スタートとなりますよね。 屯のしめくくりには小貞吉、大貞凶・・・小貞はよろしく、大貞は凶であると書かれています。 
天地万物創造の始まりを表しますから、人間でいう誕生したばかりの赤ちゃんと同じ時期を表すのです。
赤ちゃんの頃は、焦っていきなり大人のように扱ってもどうにもなりませんし、かえって危険ですから大貞凶となります。 
赤ちゃんはそっと優しく、その成長を手助けしながゆっくり穏やかに見守ってあげなければなりません。 これが小貞吉
にあたります。小貞吉、大貞凶とは、何事にも当てはまると思います。 例えば、力がないのに無理に事業を始めたいと
焦る時も屯に当たると思います。 準備も力もないのに無理にあれもこれもと手をつけてしまうと、大貞凶となり、
必ず後で失敗することになりますし、故に「屯難」ということばもあるのですよね。 屯の時は、産みの苦しみの時、
焦って動いてはならない時と認識し、ゆっくり落ち着いてを心がけ、目先のことだけに心を動かされないよう、全体的な
大きな流れに目を向け、未来に希望を持つことが大切なんですね。 赤ちゃんは、いつまでも赤ちゃんのままでは
ありませんし、草木も芽生えたあとはしっかり成長し、前途は計り知れません。 希望を持ってコツコツ努力し前進
することで、困難を克服し、必ず開花する時が来るのですから・・・☆
















 

山水蒙(さんすいもう) 〜 蒙昧、幼い、手探り、朦朧として先が見えない時 〜

  − 発(啓)く者より発かれる者が積極的に出てこその啓蒙教育。
                      馬を水辺に連れて行く事は出来るが、馬に水を飲ませる事は出来ない。 −







 卦辞:蒙亨。匪我求童蒙。童蒙求我。初筮告。再三みだる。則不告。利貞。(もうは通る。われどうもうをもとむるにあらず。
     どうもうわれをもとむ。しょぜいはつぐ。さんさいすればみだる。みだるればすなわちつげず。ていによろし。)

 キーワード:教育の卦、幼子、方向定まらぬ、子供の心配、次第に明瞭後に発展、初心、妄想、紛らわしい、思慮不足 など

 解説&運勢:「蒙」とは、気を覆い尽くしてしまうつる草のことで、朦朧としていることです。 教える側が生徒を求めるのではなく、
         生徒が先生を求めて教えを乞うのが本来の教育の姿だと示しています。 山水蒙の時は、将来がまだ未知数の
         子供の状態です。無限の可能性を秘めている、教育の卦ともされています。 ここでは、学ぶ側の意欲に基づく
         自主性と謙虚さが教育の原点であり、易の精神と共通するものだと述べています。 蒙の時は、未熟な自分を
         啓発するよう、良き指導者、師を求め、学問や稽古事に励み、教養を高める時なのです。 運勢的には、良き師に
         ついて勉強に励むことで、先が明るい時です。 


     ☆初爻 − 爻辞:発蒙。利用刑人。用説桎梏。以往吝 。(もうをはっす。もってひとをけいするによろし。
                 もってしっこくをとく。もってゆけばりん。)  

             キーワード:厳格すぎると恨まれる、法を知らず罪を犯し刑されるおそれあり、法や約束規則に従う時、
                     情に流され妥協は後悔のもと など

             解説&運勢:己の蒙昧さ、無知から法を犯したりして(初犯)厳しい戒めを受けることがあるとします。
                     しかし罰する側も厳しくはあるが行き過ぎた仕打ちはNG。 限度を知り自制して進んで
                     無難な時です。 何事も有利には進まない時。 (小吉)


     ☆二爻 − 爻辞:包蒙吉。納婦吉。子克家。(もうをいるきち。ふをいるきち。こいえをよくす。)

             キーワード:人徳アリ、周囲から慕われ人間関係豊か発展、子孫に恵まれ繁栄、養子縁組吉、良縁得て家運隆昌 など

             解説&運勢:道理のわからない者を包容して吉。妻を迎えるに当たっても吉。良き指導者(蒙を啓く師)
                      の立場に立って、見通しは悪いが何事も謙虚且つ臨機応変に対応する時。
                      才能も力も備わっている時です。 縁談のある人は乗ってみる時です。結婚お産吉。
                      山水蒙の中では良い時です。(大吉)


     ☆三爻 − 爻辞:勿用取女。見金夫不有躬。无攸利。(じょをとるにもちうるなかれ。きんぷをみてみをゆうせず。
                 よろしきところなし。)

             キーワード:財運乱れ、思慮なく衝動的に動く時、利己的な為方針誤り信用失い自ら転落、失敗、女子不貞の意、
                     浮気、部下や側近など不正事あり 欲に目が眩む など

             解説&運勢:「打算的な女性が、玉の輿を狙っている様」です。縁談は避ける時。心が通い合って
                     いません。恋愛関係、金銭トラブルに巻き込まれないよう注意する時でもあります。
                     欲に走らず身を慎みましょう。心を固く閉ざしやたら動かず無事を願う時。それだけで精一杯
                     な時の筈です。甘い言葉で近づいてくる人にご用心。世の中其程甘くはないのです。 (小凶)


     ☆四爻 − 爻辞:困蒙吝。(もうにくるしむりん。)

             キーワード:事の軽重や白黒誤り人間関係断絶、疎外孤独無援、良き師を求めて研磨啓蒙受ける時、何事も
                     錯覚誤解しその為損失挫折あり、思慮不足で失敗 など

             解説&運勢:「無知で蒙昧な愚かしさに苦しんでも仕方がない」様。応比なく、力もなく、成功できない時。
                     例えば盲目の愛で子供を甘やかし駄目にしないよう、人の忠告に耳を傾け、頑固な
                     方針を改め教養を高める時です。先を見る目を失い、考え方、進み方に問題ありの時。
                     転居転職全て控えて無難。(大凶)


     ☆五爻 − 爻辞:童蒙吉。(どうもうきち。)

             キーワード:子供について喜びある時、賢者の教えを受け自ら欠点弱点を排除し艱難を脱する、これまで
                     わからなかったことがクリアになり見通し明るくなる など

             解説&運勢:「学ばんとする童子のように素直で謙虚であるから吉」。何事も素直な態度がぐんぐん
                     成長させる時。自分ひとりで考えて進めることは間違いが多いもの。先見の明のある先輩
                     に意見を仰ぎ、先輩に引き立てられやっと自分の力を発揮するチャンスに恵まれます。
                     謙虚に低姿勢ですすめば運勢は良くなります。 身の程を知ることが鍵。 子供に恵まれる運。
                     山水蒙の中では良い時です。(大吉)


     ☆上爻 − 爻辞:撃蒙。不利為寇。利禦寇。(もうをうつ。あだをなすによろしからず。あだをふせぐによろし。)

             キーワード:思わぬ危険災難に遭遇、盗賊暴漢に注意、蒙昧を取り除こうとしすぎるのはNG,説得は寛容温情を
                     もってでなければかえって恨まれる など

             解説&運勢:「思いあがった無知の者を厳しく指導する時。この者が他人に迷惑とならぬよう、憎しみを
                     買わぬよう注意する時」。今は敵を作らぬよう、言動には注意する時。 厳しさがかえって
                     良くない結果を齎しますから、相手の持っている性質をよく見て距離を上手に取りましょう。 
                     現状維持で守りの姿勢で過ごす時です。(小凶)


  私も母親である身として、子供を教育していかなければならない立場という事を意識しています。 甘やかすのは簡単
ですが、厳しく指導して行く事は大変難しく思います。 甘すぎても厳しすぎても良くないですし、何事も中庸、バランスが
大切です。
蒙の卦を思う時に連想するのが果という文字です。果は果物ですからその栽培方法を考えると明解なように、果決、
果断を上手にしなければ、良い花は咲きません。 これがまた大変難しいことなのですね。 時期をはずしたり、やりそこなっ
たりすると、とんでもないことになるのですから。 まして子育てはその意味においてとても重要ですので特に難しいもの
だと思います。甘やかさず、愛情を注ぎ、かつ、徳を育てなければならないのですから。
徳というものは、人間の本質的な問題です。これに対し、知能や才能は附属的要素となるのです。この、知能、才能、または
技能等はなくてはならない大切なものですが、人間の要素としては、派生的なもの、附属的なものになると思うのです。
躾や習慣というものもありますが、これは徳というものを育てる上においてとても大切で、本質的要素の中に入ると思います。
この、「徳」をどうやって子供達に教えていくかが最大の課題なのですよね。