水天需(すいてんじゅ) 〜 チャンスを待つ時、力を蓄え養う時、需要、辛抱、期待 〜

          − 気を揉んでも仕方がない。 隠忍自重し恵みの雨を待つ。 −






 卦辞: 需。有孚光亨。貞吉。利渉大川。(じゅは、まことありおおいにとおる。ていきつ。たいせんをわたるによろし。)

 キーワード:飲食の卦、待機、辛抱、物事遅滞、考えあぐねる、隠忍自重、英気を養う、無理に進めば争事起きる、月蝕 など

 解説&運勢: 「需」は待つということです。「光」は大いにということになります。心と体にたっぷり栄養を補給し、未来に大川を
          渡るための準備を整える時なのです。 ところで需という字の冠は雨ですね。そして下の而は天の象形と
          いわれますから、立って恵みの雨を待つ意ともします。内卦の乾=天、内卦の坎=雨雲になり、雨雲が天空に
          止まっている形です。雨は降ってこそ地を潤すものですから、止まっていては意味が無いですものね。
          恵みの雨が降る時期到来までどのように待つべきか、各爻で解説されています。
          運勢的にもたとえ実力があっても、周囲の状態が、それを十分発揮できない時ですから、暫らく時期を
          待ちましょう。控え目にし、積極的な行動は慎む時です。


     ☆初爻 − 爻辞 :需于郊。利用恒。无咎。 (こうにまつ。つねをもちうるによろし。とがなし。)

             キーワード:無理に進めば思わぬ災難障害に遭う、焦らず日常の仕事や本業本分を守って無難、
                    目を内部に向け充実をはかる、前進新規事は諦め好機を待つ時 など

             解説&運勢:「郊」は郊外、田舎を表します。「郊外で待つ。変化を求めず日常のことを続ける。
                     そうすれば特に問題なし」。 自信もあって積極的に行動したいところですが、時期早く
                     順調は得られにくいので、今までのやり方を守り、動揺せず冷静に。
                     遠く(外卦の坎から)離れて待機する時。(小吉)


     ☆二爻 − 爻辞:需于沙。小有言。終吉。 (しゃにまつ。すこしきことあり。ついにきち。)

             キーワード:進もうとしても上から出鼻を挫かれ不平鬱積する、口論口舌慎み周囲と親和の姿勢が要、
                     無欲な姿勢を、実力計画は隠して外に出すべからず など

             解説&運勢:「沙」は砂地のことです。「水辺の砂地で待つ。少々波風有っても最終的には
                     おさまるので吉」 何かトラブルが起きても時間が解決するでしょう。実力はありますが
                     時期が悪いのです。力がある分、人に頼られたり利用され迷惑を受けることも。
                     口論を避け、動揺しないように。 願い事は後で叶います。(中吉)


     ☆三爻 − 爻辞:需于泥。到寇至。 (でいにまつ。あだのいたるをいたす。)

             キーワード:逸る心抑え謙譲の姿勢を保つこと、盗難病難水難に注意、自らの妄動が困難の因になることが
                     多い、進めば足をすくわれ厳しい妨害に遭う、現在の位置に止まって無難 など

             解説&運勢:「寇」は、敵、賊の事を表します。「水際の泥地で泥にまみれて待つ。敵が攻めてくる」
                     外卦の坎の川に隣接し、最も危険。厳重謹慎し、警戒しなければなりません。
                     利に動いたり積極的に行動すると辛くなります。動けばやられてしまいます。油断大敵の
                     時なのです。息を殺して待ちましょう。運勢は取り引き全て分限を守り内部を固めましょう。
                     兎に角危険、Dangerです。(小凶)


     ☆四爻 − 爻辞:需于血。出自穴。  (ちにまつ。あなよりいず。)

             キーワード:進めば大きな反発抵抗攻撃を受け、血を見るような災難を受けかねない、口舌から争いごと
                     起こり易い時、自説持論を主張し立場を失うことに、険悪危険な運気 など

             解説&運勢:「血の中で待つ。やがて穴の中から脱出できる」。陰柔ですが妄進しないので脱出可能。
                     既に坎険困難の真っ只中ですが、九五の君子、初九の賢人の教えに従い、力強い援助が
                     ある時です。脱出の時まで耐えて待ちましょう。(小凶)


     ☆五爻 − 爻辞:需于酒食。貞吉。(しゅしょくにまつ。ていきち。)

             キーワード:安心から酒色に走りやすい故本分忘れず貞正を守る時、これまで待った甲斐ありようやく念願
                     成就、人間関係複数多岐になり不善の徒も近づきやすい時なので用心を、出費抑え赤字に
                     ならぬよう注意 など

             解説&運勢:「飲食しながら待つ。貞正にして吉。」もうすぐ待望の渡し舟が到着するはずです。待った甲斐
                     がありました。いつでも動けるよう、英気を養い心安らかに安心して待つことです。
                     趣味道楽に溺れぬよう注意。(大吉)


     ☆上爻 − 爻辞:入于穴。有不速之客三人来。敬之終吉。 (あなにいる。まねかざるのきゃくさんにんきたるあり。
                 これをけいすればついにきち。)  

             キーワード:病気大いに不吉、悩みに落ち込み困難窮まるが思わぬ助けにあって窮地を脱することが
                     できる、窮地にあっても礼儀を失わなければ死中に活路あり、三人の知恵才能を尊重する など

             解説&運勢:「速」は待つ。ですから不速は待たないということ。「穴に入り込んでしまった。思いがけない
                     お客が3人(下卦の三陽爻)やって来る。彼らを丁寧におもてなしすれば最終的に吉」。
                     待つことができず穴(坎険)に入り込んでしまったのですが、(この爻だけ需つという言葉が
                     でてきません) しかし、このような窮地にいながら思いがけない3人の客人たちから
                     助力が得られる時。この招かざるお客たちを尊敬し、真心でその教えに従うことで終わりに
                     吉を得られるのです。受け身に徹することが鍵。(小吉)
                     


  今は焦らず時を待ちなさい。水天需の卦はそう私達に語りかけます。春は必ず来る。待てば海路の日和あり。・・・しかし、
待つことは一つの試練ですし、待たなければならないのを充分わかっていながら、心は動揺し、心細くなり、不安になり、
そのうち苛立ちが生じ、穏やかではいられなくなってしまうものです。 何故人はそうなってしまうのか。 それは心の中に
疑いというマイナスイメージを持ってしまうからなのです。 そして、少しでも疑いを持つ時に、待つことに耐えられなくなって
しまうのです。 待っている時は、どうしても最悪の結果を想定し、自然とその為の心の準備をしてしまうものです。
しかし、それではいつまでたってもマイナス思考から抜け出す事ができず、常に緊張を強いられる人生を送らなければならなく
なります。 それでは人生を楽しむ余裕などいつまでたっても出てきません。 
上手に人生の波に乗り、自分の人生のサイクルを心得ましょう。過去を見直し、流れの癖を冷静に読みましょう。
運は常に循環しています。 良い時、悪い時、そして待つ時。 いつの時も、自分にとって最善の方法で対処し、悔いのない
よう進みましょう。 この、需の卦のように、焦らず慌てずゆっくりと大らかな気持ちで。










 

天水訟(てんすいしょう) 〜 争論、訴訟@訴え、争いごとの多い時  〜

       − 「和合して栄え、争うて亡ぶ」 争うことの愚かしさ。 我を通すことの醜さ。 -






 卦辞:訟有孚窒。利見大人。不利渉大川。(しょうは、まことありてふさがる。たいじんをみるによろし。たいせんをわたるに
     よろしからず。)

 キーワード:断絶、身の程を弁えぬ、遊魂の卦、食い違い、我を主張して後悔、師に背く、絶交、断交、裁判、調停、汚職 など

 解説&運勢:「訟」は訴え争うということです。自分の主張は正しいと思う時ですから訴え、争うのですが、身は(二爻)坎険
         の中にあるので、結果はよくありません。そこで、訴え、争うことを中止すれば吉なのですが、最後まで固執すれば
         凶になります。 もともと、訴え争うということは、やむをえずに行うことであって、決して良いことではありません。
         従って、固執して、やり遂げるべきことではありません。 この卦は人と争い勝つ方法を現しているのではなく争う
         ことの愚かしさを述べているのです。 争いは勝っても負けても平安を招くものではありませんし、有利ではないですものね。
         この卦では、争いごとが起きた時、どう対処するかということを説いているのです。 運勢的に見ましても、
         見込み違いが多く、人と争いを起こしやすく、訴訟問題に巻き込まれる事があります。 十分の配慮を要します。


     ☆初爻 − 爻辞:不永所事。小有言。終吉。(ことするところをながくせず。すこしきことあり。ついにきち。)

             キーワード:口論争論あっても深追いせず和解の対応を取れば無事、損害より争うことの不利を考える時、
                     無理が通って道理引っ込む、相手の非を責めたくも時運悪い故我慢の時 など 

             解説&運勢: 「訴え争いを長引かせず、適当に切り上げましょう。揉め事があっても最終的には吉」。
                      先を見越し、たとえ不平不満があったとしても大事にならぬうち争いを早めに避けましょう。
                      小さい事には拘らないようにしましょう。(小吉)


     ☆二爻 − 爻辞:不克訟。帰而逋。其邑人三百戸。无災。 (うったえをよくせず。かえりてのがる。そのゆうじん
                 さんびゃっこ。わざわいなし。)

             キーワード:沈黙守り無事、争えば負ける、勝ちなしを知ることで自分ばかりではなく多くの人が難から救われる、
                     過信せず訴えは退ける時 など

             解説&運勢:「今は訴えに勝てません。逃れ帰りましょう。関係する三百人の村人たちにも災いが及ばず
                     済みました」。争いの意の強い時ですが、同時に勝ち目のない不利な時ですから勢いに任せて
                     不満をぶつけてはいけません。分限を守り、今はひとまず引きましょう。(中凶)


     ☆三爻 − 爻辞:食旧徳。貞誌I吉。或従王事无成。(きゅうとくにはむ。ただしければあやうきもついにきち。
                 あるいはおうじにしたがいなすことなし。)

             キーワード:親の教えや家訓を素直に受け入れ安定、自我を通せば疎外、思わぬ災難に用心、旧業、旧職に
                     戻ることは吉、驕らず謙虚に など

             解説&運勢:「王のところへ戻り、今まで通りに養われます。貞正にしていても危ういのですが
                     最終的には吉。」 歩調を合わせてきました九ニが思いとどまり逃れたので自分も
                     訴えをやめました。平凡が一番良い時です。分限を守り静観を維持することが無難。
                     王の命を受けことに当たることがあっても成功を誇ったり自慢したりなどという
                     偉そうな態度をとってはNG. また、火遊びや刺激を求めてもいけません。(小吉)


     ☆四爻 − 爻辞:不克訟。復即命。渝安貞吉。(うったえをよくせず。かえりてめいにつき。かえてていに
                 やすんずればきち。)

             キーワード:争いを避け和解の姿勢を保ち平安、訴え争うことの非を悟り自分の本務本業を冷静に振り返る、
                     和悦親和の姿勢が第一、金銭的損失に注意 など

             解説&運勢:「訴えに勝てません。心を入れ替え貞正にしていれば吉。」大臣なので、君主に従順で
                     あるべきなのに、それができなく訴えようとするも、本来の立場を考え直し、君主に従う
                     ので吉になるのです。 自分の原点、本来の場所に立ち帰る時。目上の人に従いましょう。(中吉)


     ☆五爻 − 爻辞:訟元吉。(うったえげんきち。)

             キーワード:争いの仲裁に入り功ある時、長い間の対立解消し再出発、私利私欲に固執はNG,こちらの言い分が
                     通り安堵、目上の意見に従い親和の姿勢で など

             解説&運勢:「訴えて勝ち、大いに吉の時です」。訴えを起こす側ではなく、公明正大に裁く側にいます。
                     正義の為に勝利を収める時です。(吉)


     ☆上爻 − 爻辞:或錫之ハン帯。 終朝三褫之。(あるいはこれにはんたいをたまう。しゅうちょうにみたびこれをうばわる。)

             キーワード:たとえ勝っても永続せず運気低迷、一時の喜びを永続的な喜びと錯覚しがち、争いに勝っても
                     人間関係円滑でなければ結局は損失に繋がる など

             解説&運勢:「王より礼服を授けられたが、朝のまつりごとが終わるまで3回も取り上げられてしまった」。
                     労して功なしの時。一時的に訴えには勝ちましたが、結局信用も人望も失い、空しさだけが
                     残ります。自分の意見を強引に押し通すため、周囲から怨まれたり反感を持たれたりし、
                     勝ったとはいえ費用労力を計算すると割が合わないのです。 勝ったからといって良いとは
                     限らないのですよね。(小凶)


 争いごと。 イヤですね。 できればいつの時も平穏でいたいものです。 しかし、人生は平穏ばかりは続きません。
山あり谷ありです。争いごとに巻き込まれてしまう事もありますよね。訟の卦を見ると、いつも過去のある苦い経験を思い
出します。私が前の夫の浮気と酒癖の悪さにほとほと愛想が尽き、離婚した時の事です。 裁判を起こすまでもなく、
私は子供達の親権者となり、前の夫からは慰謝料と養育費を頂くはずでした。しかし、私はその後すぐに誠実な男性との
出会いがあり、その男性と再婚する事を決めました。 日本の法律では、妻が再婚した場合でも、公正証書通りに養育費を
送りつづけなければならないのですが、前の夫はそれを拒否しました。 それどころか、慰謝料も払わないと言い始めたの
です。決して前の夫が払えない金額ではありませんでした。しかし、前の夫は私が幸せになることが許せなかったのです。
なんとも幼稚な男性だろうと嘆きました。 そんな時、引いたのがこのカード、訟。初爻を得ました。 相手はこちらから何を
言っても通じない人。私の心の内は複雑でした。 このまま引き下がるのがどうしても癪に障ったのです。 そんな沸沸と
した私の心内を和らげてくれたのが今の夫でした。 「前の旦那との繋がりがキレイに切れると思えば気が楽だよ。 断って
しまえば?慰謝料や養育費。 悩みの種は早く摘んでしまおうよ。その分、僕が頑張って稼ぐからさ。(笑)」 
その言葉に涙し、もと夫への怒りもス〜っと消え去りました。 そしてその後、前の夫へファックスを送信しました。
気持ちの込められていないお金は受け取りませんと。 前の夫はその後すぐ、喜びのメールとも取れるファックスを返信して
きたのです。
「〜そっちが権利を放棄した以上絶対にもう払うつもりはありませんから。自分の書いてきた事にどうか責任を持つように。〜」 
・・・・そのファックスを手にした時、何故か私はホッとしました。 得た爻が初爻だった意味も、その時理解できました。
心のない人からイヤイヤ法律上の事とはいえ渡されるお金が、どれだけ価値のない物かに気づかされたからです。
子供の為に少しでもと思っていた私が間違いでした。 子供の為にできる事は、今の夫と共に深い愛情を注ぐ事なのです。
お蔭様で、今現在はとても気が楽です。







     








 

地水師(ちすいし) 〜 集団の争い、良き指導者と戦争に向かう時 〜

              − 師は衆なり。 優れた指揮者は必ず民がついてくる。 −

                    





 卦辞:師。貞。丈人吉。 无咎。(しはただし。じょうじんはきつ。とがなし。)

 キーワード:戦い、戦争、落とし穴、地下水、不景気、水不足、非常事態、一陽五陰の卦、帰魂の卦 など

 解説&運勢:「師」は師団の師、戦争を表します。 戦争だけではなく、師とは師匠、教師などの師となりますが、
         一陽の指導者、実力者に5陰の衆人が集まり指導される形にもあてはまります。また、内卦の水、外卦の
         地で、地下に水があることを表しますから、水不足の苦しみも意味します。なのでこの卦は悩み多く苦しいことも
         表していますが、丈人吉で咎なしですから、一時的に険難(戦争)があっても、威厳に満ちた長老が統率し
         正しき道に従う(坤)ので、衆人は必ず心服することになり咎なしとなるのです。 運勢的には個人ではなく
         集団の争いごとや問題が起きやすい時になりますから、油断なく警戒しましょう。


     ☆初爻 − 爻辞:師出以律。否臧凶。(しいずるにりつをもってす。よきにあらざればきょう。)

             キーワード:物事を軽視し失敗、今は準備整えることが大事、若気の至り、十分計画を立ててから など 

             解説&運勢:「戦争の時は、規律が大切です。規律が守られなければ凶です」。
                     生活態度、勤務態度に緩みが生じる時です。何事もスタートが肝心です。気を引き締めて
                     規律を正しましょう。初爻なので内部の和合団結がまだ不十分。先走り不用意に
                     手出しするのはNG。(中凶)


     ☆二爻 − 爻辞:在師中吉。无咎。王三錫命。(しちゅうにありきち。とがなし。おうみたびめいをたまう。)

             キーワード:埋もれていた才能を発揮し功績を立てる、世話苦労多し、目上の信頼を得て責任ある立場に
                     立つ、 など

             解説&運勢:「有能な指揮者が中心にいます。問題ありません。王様から3度も命令が下されます」。
                      この卦で唯一の陽の場所で、ここが有能な指揮者であることを示しています。
                      大いに能力を発揮できる時です。ただ、人並み以上の能力がある故、同僚や上司に
                      頼られ責任のある地位について苦労することがあるともします。(中吉)


     ☆三爻 − 爻辞:師域荷尸。凶。 (しあるいはかばねをになう。きょう。)  

             キーワード:先行き希望がある如く見えても思い切って断念し現状に止まる時、力量不足のまま
                     進みすぎて挫折失敗災難受ける衰運の時、 相手の策略に陥る、甘い言葉に踊らされ
                     償い難い損害を受ける など

             解説&運勢:「戦争で屍(尸=かばね=死体)を車に乗せて帰るので、凶」。敗戦敗北の爻。
                     指揮者の認識が甘く、実力不足の時ですので、何事も破れ傷つき、負け戦は
                     目に見えています。信用してはいけない人を信頼して後悔するとします。甘い言葉に
                     踊らされぬよう警戒する解き。病気や怪我などにも気をつける時です。(大凶)


     ☆四爻 − 爻辞:師左次。无咎。(しさじす。とがなし。)

             キーワード:企画の不備を発見し新事を断念、振り出しに戻って無事、反省自戒し暫く休む時、前進の
                    不利を悟る、己の非力を悟る、一時諦め無事を得る など

             解説&運勢:「左次」とは退くこと。(左をもって陰、右を陽とみる)「前線から退き、問題はありません」。
                     退却も立派な戦の道です。何事も進まず今は一歩引いて静観しましょう。運勢的には
                     縁談が破談になったり、事業など約束事が破られることもあるとします。何事も進まず
                     退き一休みの時。(小吉)


     ☆五爻 − 爻辞:田有禽。利執言。无咎。長子師師。弟子荷尸。貞凶。(かりにきんあり。しつげんによろし。
                とがなし。ちょうししをひきう。ていしかばねをになう。ただしけれどもきょう。)  

             キーワード:十分考えてやった筈が千慮の一失とも言うべき過失損害起きる、人を信用し裏切られる、
                     大いに得るが損失もある など

             解説&運勢:「禽」は賊。「長子」は能力のある人です。「弟子」は能力のない小人。
                     「田を荒らす賊がやってきました。命令を発した方が良いでしょう。問題はありません。
                     有能な人はよく軍を導く。小人に任せたら屍を担って敗走する結果となるのでいくら
                     貞正であっても凶です」。妨害の多い時です。自分で何とかしようと動かず優秀な人の
                     アイデアに任せましょう。(小吉)


     ☆上爻 − 爻辞:大君有命。開国承家。小人勿用。(たいくんめいあり。くにをひらきいえをうく。しょうじん
                 もちうるなかれ。)

             キーワード:温情が仇に、情に引かれて未熟者を重用するのはNG,人事問題に注意の時、これまでの
                     努力が一段落し成就、物の配分報酬で問題を残さぬよう注意 など

             解説&運勢:「大君は、戦争に勝って、国を開き、家を興させます。しかし、小人は用いては
                     いけません」。戦いが済み、論功行賞の時です。 良い時ですが、気の緩みから
                     問題を起こさぬよう注意。争い事が一段落しても油断せず慎重に。情に引かれ
                     未熟な者を重用するのはNG。 特に人事問題に注意の時です。(小吉)

   
  争い事や苦労が耐えない時を表す地水師の卦。しかし、マーフィー博士によれば、「貴方の心の中にある、いろいろな
考え、アイデア、信念、心像をさす卦」と見られます。 ここでいう指導者は心に常に存在し、また兵卒も同じく存在するのです。 
問題解決に失敗するのは、殆どの場合、自分に自信が持てない時。強い信念を持ち、真剣な気持ちで事に当たれば
どんなに難しい問題や、争い事、試練も解決する事ができるはず。 実際に行動する前に、このやり方で本当に良いのか?
もっと良い方法は他にないのか?と自身の中の指導者に問い掛けてみましょう。冷静且つ客観的に、そして誠実と正直と
信念があれば、やがて問題は解決するはずなのです・・・。











 

水地比(すいちひ) 〜 親しみ、睦み、仲良く楽しく進む時 〜

          − 素直な親和の心は大地を潤すが如く豊かで幸いな姿。
                              不自然な躊躇いや無理な背伸び、上から目線では幸いを遠退ける。 −







 卦辞:比。吉。原筮。元永貞无咎。不寧方来。後夫凶。(ひは、きつ。ぜいにたずね、げんえいていにしてとがなし。
     やすらかざるものまさにくる。こうふはきょう。)

 キーワード:一陽五陰の卦、親和親睦、助け合う、水田の象、帰魂の卦、孤立はNG、素直な気持ちで、出費嵩む など

 解説&運勢:「比」は親しみを表します。「筮」は占い、天の意志のことです。「後夫」は遅れる人(上六)のことです。 比とは、
         水と大地が和合するように、相親しみ、助け合いながら、繁栄と豊かな生活をはかることを表しています。
         後夫凶とは、折角潤う地に皆が親和し集まっているのに、素直になれず、不自然に後からゆっくり行くという男の
         ことで、このような人がどうして吉を得られようかというのです。 対人関係においては素直な気持ちが大切
         なんですよね。不自然に上から目線で偉そうに振舞ってみたり、必要以上に遠慮したり卑屈になったりなどと
         いうことは、自ら良縁を遠退けてしまうことになると思います。 また、いくら相親しむことが素晴らしいとはいえ、
         親しむ相手を選ぶことも大切です。自分自身を省みつつ、再三、親しもうとする相手の人物を推し量る冷静さが
         要です。 運勢的には、一陰五陽で世話苦労、気苦労はあっても、概して良好です。人と親和しながらやっていく
         時ですが、自分にとって良くない人も来る時ですから、迷惑を受ける事もありますので警戒が必要。(後夫凶)


     ☆初爻 − 爻辞:有孚比之无咎。有孚盈缶。終来有他吉。(まことありてこれにひすとがなし。まことありて
                 ふにみつれば。ついにきたりてたのきちあり。)

             キーワード:これまで不遇だった人も人間関係によって開運の兆あり、交わる人から人柄を認められ
                    他からも吉報が、人間関係円滑、親和が鍵、誠心誠意、初心を忘れず など

             解説&運勢:「誠をもって親しく交わり、問題ありません。その誠が豊かであれば、思わぬ喜びも
                      得られます」。貴方の飾らぬ素直な心、先んじて比を求める心が人を動かし、予想外の
                      喜びが訪れる時です。ただ、競争相手も多い時とします。努力が必要です。(小吉)


     ☆二爻 − 爻辞:比之自内。貞吉。(これにひするうちよりす。ていにしてきち。)

             キーワード:うわべの体裁や格好でなく内心から誠実ある人とみて良い、心からの誠意を以って交流する、
                     あえて遠くの知己を求める必要なく、身近な人と交流を など

             解説&運勢:「心の中から親しくし、貞正にして吉です」。貴方の方から誠意を尽くし、親交を求めるなら
                     よい援助を得られる時です。(大吉)


     ☆三爻 − 爻辞:比之匪人。(これにひするひとにあらず。)

             キーワード:趣味嗜好を再検討、第三者の注意に従わず道を踏み外し運気低迷、洞察誤り悪友を交わる など

             解説&運勢:「常識はずれな人(上六)とばかり交流を持ってしまう時です。」とても正常な状態では
                     ありません。親しくしようとする人、やろうとしている事に問題があるはずです。相手の
                     本心をしっかり見抜きましょう。(大凶)


     ☆四爻 − 爻辞:外比之。貞吉。(ほかこれにひす。ていにしてきち。)

             キーワード:積極的に賢者や目上に従い吉、目下より目上に接近して開運、引っ込み思案や消極的姿勢では
                    幸運を逃がすことあり、第三者の目を気にせず堂々と目上と交際し教えを受けることで開運 など

             解説&運勢:「外部の人とも親しくすること。貞正にして吉です」。九五の天子と比しています。自分より
                      優れた人に心から親比しようとする巽順な態度が立派なのです。敬愛する目上の人と
                     交流を持つ事によって、教養を高め、視野を広くします。(中吉)


     ☆五爻 − 爻辞:顕比。王用三駆失前禽。邑人不誡。吉。(ひをあきらかにす。おうもってさんくしてぜんきんをうしなう。
                 ゆうじんいましめず。きち。)

             キーワード:世話苦労多いが成果あり、去る者追わず自然に任せる、欲を出し四方の手を伸ばすと折角の利も
                     失うことに、肝要な人徳を以って周囲と接することで人望を得る など

             解説&運勢:「水地比の道を明らかにします。王様が狩の時、三方から獲物を追い詰め、前方より逃げる
                     獲物は逃がします。去る者は追わず、来るものは拒まずの姿勢が吉の時」。完璧さをしつこく
                     追い求めず、寛大な気持ちで接しましょう。何事も八分目で満足しましょう。欲張ると凶を
                     招きます。(大吉)


     ☆上爻 − 爻辞:比之无首。凶。(これにひすしゅなし。きょう。)

             キーワード:後悔先に立たず、親密な友のいない境遇、心を改め積極的に人と親しむ、あえて交際を
                    求めず独善独行が災いし孤立して衰運に、新規事大事を考えるより人間関係円滑化を考える時 など

             解説&運勢:「親しくしようにも、埒外で相手がいない時。凶。」 仲良くすべき時に空気を読まず、天の
                     意志にそむき、とうとう人から見放され浮いてしまったような時です。考えを改める時です。
                     偉そうにしたり卑屈になったりせず、素直な親しみの気持ちを持たなければ相手からも
                     親しまれないものですよね。独善独行は嫌われるもとなのです。(大凶)


  コミニケーションの卦ですね。先日、筮を立てこの卦を得ました。実はPTA幹事選出の日、選ばれたくない気持ちでいっぱい
だった私は、易に問い掛けてみたのでした。「私は果たして選ばれるのだろうか?」 結果は比の初爻。 ???。 
いまいち易が出した答えに納得がいきませんでした。 意外な幸運ということで、私は免れるのだろうか? しかし、比・・・。 
和気藹々仲間と共に進む卦といえば・・・ う〜〜〜むと思いつつ選出会場へ。 結果、幹事に抜擢されてしまったのです。
その時、やっと比の意味を理解しました。 あれほどいやだいやだと感じていた幹事選出が、不思議と苦にならなくなった
のです。 選ばれた他の幹事さん達が、とても親しみやすそうな方ばかりだったのです。 私は越してきてまもなく、この土地
に知人はいません。 ですから、もしかしたらこれは新しいお友達ができる良いチャンスかもしれないと思いました。 
後に役員選出があり、文章と絵を書く事が好きとプロフィールに書いてしまった私は、書記に推薦されてしまいました。 
四役という、別名四難役とも言われる、会長、副会長、書記、会計のなかの書記です。 しかし、その時も、苦痛よりむしろ、
知らずに楽しみを感じていました。 会長、副会長、そして会計の方の人柄の良さと人懐っこさが、それまでの緊張感を
解してくださいました。元来一匹狼的な私ですが、比の時は格好つけず、坎水と坤地の親和によって万物を育成するように、
親交して良縁を得る時なのかもしれません・・・。