・・・・マリア的感情論 ・・・・





- サムサラ -


悴んだ唇を
貴方の指先で
温め直し
掌の温もりを
頬で感じ

「ごめん。待った?」

「ううん。ちょっとだけ」

震えているのは
寒いからじゃなくて
貴方を失うのが
怖かったからで

「・・・来てくれたんだ・・・」

「・・・バカだなぁ・・・ 来るさ。 約束しただろ?」

「・・・うん・・・」

貴方の掌を
ギュッと握り緊め
カシミヤのコートに
そっと身を寄せた

また今夜も
ゲランのサムサラが
貴方から香った

それは
いつもに増して
強い香りを放つ
挑戦的なメッセージ

きっとこれが
最後の夜ね
罪滅ぼしの
優しさが
別れの気配を
物語る

哀れな私を
嘲笑うかのように
毒々しい
サムサラの香りは
容赦なく冷酷な
傍観者となる
(2001/11/30)











煮詰まった恋仲は
無理矢理生き延びさせる為
関係維持に努めたところで
あっけなく
終焉を迎えてしまうものよ
目先を変える
元気すら
もう私には
残っていない

だから
ねえ
お願いよ
そうやって悪戯に
私を引きずらないで
憐憫は
かえって私を
陥れて

もう愛していない時こそ
どうして別れるのが
こんなにも
難しいのかしら
いい趣味とは
言えないわね

何度も何度も
煮詰め直して
無理矢理ココロを
切り貼りして
仮縫い同然の
この関係って
腐り切るまで
続くのかしら
(2001/11/28)











あの女が
羨ましい
素直にそう
思えるように
なった今
私はやっと
負けを認めた

奪われたのは
隙があったから
あの女が
死ぬ気になって
犯行を企てていた頃
私は悠長な態度で
何の疑いも持たず
式場やドレス選びに
夢中だった

でもね
悪いけど
盗られたモノは
盗り返すわ
それが私の
掟だから
この戦いは
惨敗だったけど
私は私のやり方で
あの人を
盗り返す
今度はあの女が
羨ましがる番
(2001/11/26)















身を切るような冷たい風が
人ごみをすり抜け
私の体をチクチクチクチク刺してゆく
クリスマスソングが派手に鳴り響き
イルミネーションで華やかに飾られた街中を
小さく肩を丸め
両手で自分を抱きしめながら
足早に一人駅へと向かう

改札を潜り
エスカレーターに乗りながら
ふらつく体を
手すりで支え
ぼんやりと
辺りを見渡す

今、足元が崩れた時
支えてくれるのは
もう
私しかいない
そう
たった今から
私は一人

なのにまだ
未練がましく
支えてくれる腕を探そうと
後ろを振り向いてみたり
辺りを見渡してみたり
挙句
あの人の暖かい腕の
幻想に浸ってみたり
ふと幼い日に読んだ
マッチ売りの少女の
哀しい物語を
思い出した

強がって
微笑なんか
見せるんじゃなかった
最後まで物分りのいい女など
演じるんじゃなかった
泣いて縋って
繋ぎとめておけばよかった
せめてこの冬が終わるまで
あの人の体温を
感じていたかった

いっそこのまま
冷たい風に吹かれ
むなしい幻想が消えると共に
全て消えてしまえばいい
幻想の灯火と共に
あの人ごと
全て
(2001/11/22)













マニキュアのない
かさついた指先を
そっと摩りながら
夜空を仰ぎ
物想いに耽る

最後に色を塗ったのは
いつだったかしら
あの人に見せたのは
いつ迄だったかしら

凍りつく夜風に晒され
身も心も
ささくれ
遠く月に映るのは
潤いを忘れた
惨めな女の姿

せめて流星に
この遣る瀬無い想いを託し
二度と戻らぬ
あの人の元へ
(2001/11/20)







限界のないものが
二つあるわ
女の美しさと
それを思いっきり乱用することよ
(2001/11/17)











それが貴方の
身勝手なルール
拒絶する
勇気もなく
私はただ
与えられた台詞を
心でなぞり
喉を絞りながら
細い声に変えて

欲しいのは唯一
貴方の体温
それさえ確保できるのなら
たとえ傷口を広げられても
癒えることがなくても
狂気なルールに
従うわ
どうせ私は
囚われの身
(2001/11/17)











抜け殻のようだわ
貴方の前では
ただ流れに
身を委ね
瞼を伏せる

きっと貴方は
中身など
どうだっていいのね
愛してるよは
常套句

狭いシートを
ゆっくり倒し
無責任に貴方は
私という女の抜け殻に
命を吹き込む

せめて私の
滲む声を
唄に溶かし
貴方の心に
滴りますよう
(2001/11/14)











妄想は別の現実
ココロがポロポロ剥がれ落ちて
消えてしまうまで
(2001/11/12)











気まぐれな浪漫に
運命を委ね
それはきっと
嘘でもなく
真実でもなく
何度も何度も
煮詰め直した
チョコレートのような
くどく苦く
甘ったるい妄想

なぞる貴方の舌先が
柔らかく丁寧に
ゆっくりゆっくり
心を剥ぎ取っていく
瞳を伏せる私の
脳裏にぼんやりと浮かぶ
妖しげな白い蜜月が
心地よく
トロリと溶けて
蒼い泉に抜け落ちた

着信音に
誘われるまま
否応なしに私は
現実から架空へと
ズルズル引きずられ
こうしてまた
満たされることのない
幻のひとときが
甘く苦くゆっくりと
展開される
(2001/11/11)











口にふくんだ
冷たい氷が
トロンと溶けだし
甘く艶めく
蜂蜜になった
そっと貴方に
お裾分け
(2001/11/11)











快楽と同時に
ココロが物凄く
痛くなる

愛とエロスは
切っても切れない関係
カラダを通して
ココロを繋げるのって
やっぱり
無理みたいね
(2001/11/7)











素肌のまま
暖炉の傍らで
貴方と二人
毛布に包まり
それはまるで
映画のワンシーンのような
甘く優しく
豊かなひととき

「後悔してない?」
「・・・してないわ」

貴方に寄り添いながら
薬指のリングを
暖炉の炎に
翳してみた
そうね
後戻りはできないわ
覚悟を決めた
アナーバーの冬
(2001/11/7)











冬も間近な
満月の夜
部屋の中は
まるで南国の
咽返る熱気と
官能の匂い
テキーラとソーダが
甘く激しく絡み合う

貴方が流した
汗の雫が
ポタリと瞼に
吸付いて
顔を上げた私の
燃える頬を
ツルンと伝った

「やだ、泣いてるみたいね」
「泣いてたくせに」
「泣いてないわ」
「泣かそうか?」

貴方はそっと
私の頬を拭うと
熱い唇を
ジュッと重ねる
何度も何度も
携帯の着信音が
鳴り響く傍らで
唇は決して
離れない
離さない
(2001/11/5)











気が狂いそうなくらい
揉みくちゃに愛され
身も心も
放心状態よ
こんな愛が
あっただなんて

うつろな目で振り向けば
余裕の微笑に
圧倒され
私はどこまで
貴方の愛に
ついていけるのかしら
(2001/11/4)











「もしかしたら」の
独り善がりは
もう
やめにしなければ
(2001/11/1)











どうして私は
好きになった人からは
好きになってもらえないのかしら

私のことを
好きになってくれるひとだけ
好きになれたらいいのに

私が私じゃなかったら
よかったのに・・・
(2001/11/1)











お願いよ
貴方
もう一度だけ
チャンスが欲しいの
もう一度だけ
愛して欲しいの
そうしたら私は
もう二度と
貴方を離さないから
(2001/11/1)











空気になって
貴方の心に
そっと
忍び込みたい
(2001/10/30)











不倫だなんて
そんな
格好のいいものでは
ないわ
(2001/10/30)











何気に触れる
貴方の大きな手
そっと頬を摺り寄せ
上目使いに
小指を噛んだ
まるで飼い慣らされた
猫のように
貴方に纏わりつき
悪戯に
愛を強請る
(2001/10/30)











貴方の指に
未来を照らす
指輪を見た時
心が
ズタズタに
切り刻まれたわ

お願いよ貴方
いっそ私を
この場で捨て去って
惨めなくらい
罵倒し
酷くののしって

貴方は少しも悪びれず
いつものように
私を強く抱き寄せ
激しく唇を重ねてくる
流れるまま
壊れていく

今夜も又
合鍵を
返してもらえず
これからもきっと
こんな刹那な夜が
繰り返されるのね
(2001/10/29)











うかつなことを
言わせないで
愛してるだなんて
言ってしまったら
もう私
貴方の側に
いられなくなっちゃうじゃないの
(2001/10/25)









死のうと言えず
奪って逃げることもできず
「君の幸せを願っている」と言い残し
妻の元へ帰ってしまったあの人
忘れた頃
年賀状をよこしては
私の幸せをさらい
暑中見舞いをよこしては
私の未来を崩す
(2001/10/25)











「ごめん、やっぱりお前のこと好きになれない」
だなんて
馬鹿じゃない?
そんな努力
しないでよ
(2001/10/25)









お願い
少し休ませて
深呼吸をさせてちょうだい
泣いたり笑ったり怒ったり
貴方と知り合ってから
私の人生
物凄く忙しくなったわ
息が切れそうなのよ
(2001/10/25)









「もう君にはついていけないよ」
貴方が呟いた
どうして?
私が貴方についていってたつもりなのに
「どこへ行きたい?」
「何がしたい?」
そう尋ねる貴方に
私はただ
ずっと手を繋いでいただけなのに
(2001/10/25)











胸がザワザワと
ざわめき始め
取乱す寸前に
グラスが手から
滑り落ち

「大丈夫か?」
「・・・うん・・・。」

砕け散った
ガラスの破片を
一つ一つ
震える右手で
拾い上げ

「痛い!」
「気をつけろよ」

血で滲んだ
私の指先は
当たり前のように
その愛しい唇へと
運ばれていく

そんな貴方の
曖昧な優しさが
もどかしく苦しく
ジワジワと
心を締めつけるのよ

「・・・・いいよ、別れても・・・・」
「・・・・・・」

私の言葉に
貴方の表情が
ほんの一瞬
強張った

重苦しい沈黙が
針の筵のように
チクチクチクチク
心を刺して

精一杯
涙を堪えて
破片を拾い終えると私は
張り裂けそうな胸を抑え
その場を無言で
立ち去った

破片で切った
右手の指先が
車のハンドルを
切替す度
チリチリチリチリ
沁みてきたわ
(2001/10/23)











秋風に靡く
サテンのスカート
そっと押さえ
貴方を見つめた

曇り始めた空を
仰ぎながら
雨が降るねと
貴方は呟き

輝いていた
二人の思い
祈り虚しく
迷い陰り

指の隙間から
スルスルと
零れ落ちる
幸せの数々

一滴の
雨の雫が
右頬にポツリと
冷たく沁みて

男心も
秋の空

心の準備も
できぬまま
明日からまた
私は独り
(2001/10/20)










まるでそれは
吹き荒れた瞬間
消え行く足跡

砂混じりの風が
儚い夢を
奪い去る

冷えた爪先
熱い情事
吐息は妙薬

また貴方を失いそうで
瞬くのが
怖いわ

愛が痛みにすりかわり
幻と知りつつ
縋らずにはいられない
(2001/10/17)









幼い頃の私は
ただ
優し女になりたいと思っていた

大人になった私は
強くて優しい女になりたいと
思うようになった

強い心を持っていないと
優しさって続かないことに
気づいたから
(2001/10/12)











未練


こんなにも憎いのに
貴方を想い
こんなにも苦しいのに
魂はまだ繋がって
追い込まれた私を
誰か癒して
償いが欲しいの

私の愛は
ただ怯えるだけ
罪と傷痕を大事に抱え
凍る河を裸足で渉り
突き刺すような冷たさが
どんどん体温を奪い
想いが朦朧とする

こんなにも憎いのに
貴方を求め
こんなにも苦しいのに
魂は彷徨い
生まれ変わっても私は
砕け散る覚悟で
貴方に辿りつくの
(2001/10/7)











魂の絆・・・

どんなに辛くても
君を想い続け
どんなに苦しくても
君を探し求める

草原を渡る風のように
もつれ絡まる糸を断ち切って
河をさかのぼる魚のように
押し寄せる壁をも打ち砕き

過去の罪も傷跡も
すべては君の生きる証
憎しみを昨日に置き去って
二人の明日を見つめよう

どんなに辛くても
君を想い続け
どんなに苦しくても
君を探し求める

魂で結ばれた
二人だから・・・

- マリウスさんより -

(2001/10/7)











あの時の選択は
間違ってなかったのね
あの時の涙は
決して無駄ではなかったのね

今だから
わかるわ
あの時の選択が
正しいものだったことが

あの時があって
今がある
あの選択が
今に繋がっているのね

今ここに
私がいるのは
あの時からずっと
貴方に恋をしつづけているから

そしてきっと
今の選択が
遠い遠い未来に
繋がっていることを信じて
(2001/10/7)







束縛


君の愛は暴力的だよ
貴方は静かに呟きながら
ウォッカを一気に飲み干した
頬を寄せた
窓ガラスに
冷たい雫が流れ落ち
それはまるで
私が流す涙のよう
チリチリと
痛いほど
頬に凍みる

そうね
これはきっと
究極の暴力
無償の愛なんて
私には尊くない
100%
私だけを
愛して欲しいのよ
貴方の自由を
全て奪いたいのよ
だって私たちはもう
こうして出会ってしまったのだから

呑み慣れぬウォッカに咽返り
苦しく咳払いする貴方の胸に
見苦しくても
正しくなくても
私の叫びを
刻みたい
欲が深く
自分勝手で
一方的な
私なりの
愛の印を
(2001/10/7)







I love you until the end of time........

この何てことないたったの一行のメールが
私の人生を大きく変えた
(2001/10/5)








「もしも二人に何かあったら
今日のことを
思い出そうよ
今日のことを
忘れなければ
ずっとずっと
繋がっていられるよ
人の心は移ろいやすく
変わってしまうものだけど
これから二人で
変わらぬ心を
育てて行けばいい。」

「そうね
貴方とならきっと
やっていけると思うわ
今日
この日から
この場所から
今はただ
二人の思いが
寄り添いながら
これからもずっと
繋がっていくことを
私は祈るわ
心の底から。」
(2001/10/4)







とにかく
強くならないと
泣いてる暇など
私にはない
こんな所で
躓いている
場合ではない
(2001/10/4)