・・・・マリア的感情論 ・・・・







- 弁解 -


大丈夫よ

話しを続けて
反論など
しないから
時折うつ
相槌に
全てを託し
信じるしか
術はないの

蒸し暑い
ベッドルーム
扇風機から
生温い風
梅雨の気配が
虚空の言葉と共に
じっとりと私の
心を湿らす
(2002/5/27)








わだかまりを
解く為に
一生懸命
弁解しても
益々二人の
溝は深まり
空回りする
言葉の数々
焦る気持ちに
溢れる涙
言葉は空しく
途切れ始め
凍りつく沈黙
そんな私の
惨めに縋る思いに
ずっと背を向けたまま
溜息ばかりの
愛しい貴方
(2002/5/19)









砂で乾き
風化した心を
労わり癒すため
今度こそ
もう二度と
あの人のもとへは
戻らないわ
苦しみよさようなら
(2002/5/17)







掴みかけたと
強く
確信したの
でもゆっくりと
掴んだものを
手繰り寄せてみれば
それは偶然を装った
甘い罠だったのね
何もかも
根こそぎ奪われた挙句
あっさり投げ捨てられ
残ったものは
どす黒く蔓延る
執着心だけ

遡る夢の時に呑まれ
叫びたくなる程の
切なさと後悔が
心の底で
苦しく蔓延り
それでも
瞳だけはまだ
貴方を追って
止まないの
昨日も
そして今日も

今宵もまた
一睡もせず
泣き明かすのね
執着だけが
確実に
募っていく
微かに残された
正気な自分に
縋りながら
私の瞳は
また明日も
貴方を追い求めるの
(2002/5/4)









どうしてもっと
わかりやすい言葉で
別れを告げてくれないの?
毒を混ぜるなり
矢を向けるなりして
一思いに
蹴落として欲しいわ

諦め知らずの
私の心は
そんな柔な言葉じゃ
解読不可能
傷つけることを
恐れないで
強いお酒と共に
覚悟ごと全て
飲み干してしまうから

さあ
蹴落とすなら今よ
情けは無用
本音を曝け出し
潔くほら
毒矢を射って頂戴な
溜息をつき合うのは
今夜が最後
今宵この恋は
強いお酒と共に
強制終了の運命
(2002/4/28)







役目を終えた
長い髪を
たった今
バッサリと
切りました

貴方の指が
通る事など
金輪際
なくなって
しまったのだから

終わりじゃないわ
始まりよ
恋の扉は
この先幾等でも
用意されてるはず

春一番に吹かれ
無造作に
シャギーが靡き
身も心も軽やかに
生まれ変わる私
(2002/4/23)







「また・・会いたいよ・・・」

貴方がポツンと
受話器の向こうで
そう小さく囁いた
半年ぶりの
懐かしい声が
ジワジワジワジワ
私を取り戻し

今更後戻りなんて
できるのかしら
よぎる不安は
会いたい気持ちに
掻き消されるのよ
思い浮かぶのは
愚かにも
また貴方と寄り添う
私の姿

「私も・・会いたいわ・・・」

上っ面だけ
気取りながら
断ち切れぬ情
濁りきった関係
限りない
嘘の数々
それでも尚
懐疑的な
言葉を交し
今宵再び
貴方に手を伸ばす
(2002/4/16)











ねえ貴方
今何してるの
ワインが冷えてるわ
うちに来ない?
今夜ならきっと
貴方にいい夢
見させてあげられそうなのよ

ねえ貴方
今誰かと一緒なの
気にする事ないわ
放ってらっしゃいよ
何故かしらね
今夜だけ貴方を
取り戻したくなっちゃったの

ねえ貴方
躊躇っているのなら
無理強いはしないわ
ワイン好きは
他にも沢山いるのよ
他の男に飲まれぬうちに
ねえ貴方
早くいらっしゃいよ
(2002/4/11)













- 自問自答 -


散り急ぐ夜桜と共に
あの人の面影を
必死に追いやろうと
するのだけど
心は過去に
残されたまま
それどころか
想いは募る一方で

あの人はもう
随分昔に
私の上を素通りしたのよ
誤魔化しながらでも
あの人を忘れ
なんとか生きて
行かなければ

誰もが先を急ぎ
春を楽しむ中
一人だけ
想いは後退し
心は今
どこにあるのでしょう?
私は今
どこにいるのでしょう?

恋などという
説明のつかないものに
身も心も惑わされ
私は一体
どこで踏み間違えて
しまったのでしょう?
それを確認するまでは
春の訪れなど
認めるわけには
行かないの
(2002/4/1)













「本当?」と
尋ねた時点で
全てが嘘に
なってしまいそうで
貴方の言葉
一つ一つに
ただ頷くだけの
儚い夜

探らずにいれば
泣かずに済むわ
冷淡なくちづけと
薄っぺらな愛撫
堕するだけの
虚しい関係なのに
何故こんなにも
狂おしく
愛しいのかしら
(2002/3/29)













不安や苦しみに苛まれ
縋りたい時ほど
無意味に笑い飛ばしたりして
いつ頃から私は
こんなにも強がりに
なってしまったのだろう
(2002/3/27)













あの日以来
ぷっつりと
途絶えてしまった
貴方からのメール

何度も何度も
気を取り直し
PCを前に
キーを叩く

いくら叩いても
届くはずのない
痛いほど無機質な
文字の数々

叩いても叩いても
もう繋がらない貴方を
取り戻すことなど
できやしないのに

貴方を想うことで
強くなれた
今鏡に映る私は
傲慢女の成れの果て
(2002/3/23)











ふざけて吐いた
別れの言葉
何故かしら
「冗談よ」の一言が
後に続かず
喉の奥で
何度も何度も
掻き消されるの

あのサイトで
出会った頃から
二人は薄々
気づいていたのね
嘘偽りの関係に
気づかぬふりをし
甘んじていたんだわ
でもそろそろ
潮時かしら
無責任の重さに
ようやく気づいたみたい
笑い飛ばすのも
疲れたわ

いいのよどうせ
最初から無かった
バブルのような関係だもの
誰に気づかれることもなく
ただ泡のように
虚しく消え行くだけ
さようなら貴方
せめて去り際くらい
嘘偽りは
なしにしましょうよ
明日の思い出が
汚れてしまわぬよう
ありのままで
別れましょうよ
(2002/3/15)











あの人も今頃
同じように
悔やんでいるのかしら
穏やかにそよぐ
春の夜風を
もてあまし
夢も希望も
明日さえも見失い

暗がりの中
震える拳を額に押付け
息を殺して
嗚咽する
あの人の姿が
心にジンと圧し掛かり

「逃げようか?」

ふいに突いた
私の言葉に
あっけなくあの人は
嗚咽を止め
ふと我に返ると
呆然とその場に
ただ立ち尽くし

所詮それまでの
関係だったの
全てを捨てられるほど
強くはなかった

走り去る
車の音
虚ろに眺める
二人の写真
あの人の笑顔を
そっと伏せ
目に見える姿を
追いやっても
この先ずっと
ジリジリジリジリ
心を焼き
灰になるまで
あの人を想うことに
なるのでしょうね
(2002/3/5)











梅の香と
共に薄れる
君の影
揺れる想いは
殺ぎ落とされて
(2002/3/3)

- ノスタルジア -


昔の恋人と偶然街で擦れ違った
ハッと立ち止まりゆっくり後を振り向くと
同じように立ち止まり振り向く彼の姿

数秒間見詰め合ったまま
お互いのカラダはフリーズし
言葉がなかなか出てこない
ようやく彼は照れ臭そうに
微笑みながら歩み寄る

二人の動揺がおさまり
昔の呼吸を思い出しながら
会話が自然に流れはじめ
近況を聞くことになる

「今、どうしてるの?」

自分の変化は棚に上げ
できれば彼には昔のままであって欲しいと願う

「あいかわらずさ」

そんな彼の言葉は私への思いやりにさえ感じ取れる

お互いを知り尽くす他人
誰よりも知り尽くす他人
昔の恋人とは特殊な関係になってしまう
自分自身をを隅々まで知っているという安堵感が切なさを呼ぶ
(もう一度、やり直せたら・・・)
そんな言葉さえふと心を過る

彼と偶然再会してから三ヶ月が過ぎた
風の便りで彼が結婚するらしいと耳にした
何度も何度も電話をしようとし
思いとどまったこの三ヶ月
カラダの力がフ〜っと一気に抜けた

6年間アドレス帳に残ったままだった彼の電話番号が
たった今ようやく消えた
想い出を無理矢理蒸返そうとする衝動を抑え
思いとどめた分だけ
大人の女に成長するのだと信じつつ
(2002/3/1)











遠ざかる
靴音を背に
立ち尽くし
心だけが
靴音を追い
(2002/2/25)











何百篇何千篇
こうして言葉を
止めど無く
綴ってみたところで
この世でただ
一人だけ
読んで欲しいと願う
貴方はいつも
違う人を
見てるのね

無意味だと知りつつ
言葉が尽きるまで
何遍も何遍も
綴り続ける
まるでそれは
心の隙間を
一時的にでも
宥めすかし
埋めて行くような
空しい作業の数々

憐れな女と
お思いでしょうが
これが唯一
私に出来る
儚い術
ただひたすらに
幻を信じ
諦め知らずの
痛々しい
強情さ

瞳さえ
交すことが
出来ぬほどの
臆病さとは
裏腹に
「私はここよ」と
言葉だけが
文字に溶け
延々と
泣き叫ぶ
(2002/2/24)









長い髪を
湯に浸し
真昼の月を
仰ぎみれば
夕べの情事が
遥か遠い幻に
思えてならない

遊びだったど
割りきれる程
タフじゃないし
今後どうやって
あの人と顔を
合わせれば
良いのかしら

酔い覚ましの
エスプレッソが
熱い幻を
打ち消し
苦い現実へと
引き戻す
滲む涙を
堪えるように
洗い立ての髪を
ギュッと束ね

ほの白い
真昼の月は
そんな私の
不安定な心を
見透かしながら
一体何を
想うのだろう
遠く頭上を
音もなく
ゆっくりゆっくり
滑り去る
(2002/2/19)









無理にでも
繋ぎ留めたし
その心
嘘偽りの
愛だとしても
(2002/2/18)











みつめ合い
沈黙の後
くちづけし
チョコなどいらぬ
 甘い夕暮れ
(2002/2/13)











渡す宛ての
なくなった
チョコを抱き
窓ガラスに
白い息を
フッと吹きかけ
「さよなら」という文字を
書いたわ
最初で最後の
ラブレター
また今年も
バレンタインに
泣かされる私
(2002/2/12)











色褪せし
あの人からの
恋文を
呑込む暖炉に
咽び泣く夜
(2002/2/11)











アナタの薄情さを
今更ながら
噛締めて
これまでの憎しみが
煮え滾り

「また連絡するよ」
だなんて
音沙汰のないまま
季節は廻り
春が訪れ

アナタはこのまま
別れも告げず
姿を消そうと
しているのでしょうか

風化した涙など
武器にはならないし
探し求め縋りつく程
若くはないし

それでもアナタを
見限れず
今宵も独り
祈るばかり
(2002/2/6)











紅をさし
別れの支度
整えて
哀しみ拭う
懐紙は震えて
(2002/2/5)











冬薔薇(ふゆそうび)
手鏡伏せて
 君想う
逢えぬ覚悟で
 香りを纏い
(2002/2/2)











虚無の夜
苦い砂糖を
噛みながら
時許すまで
紡ぐ言葉
(2002/2/1)











未練など
所詮響かぬ
底無し沼
泥の捨て場は
数バイトの中
(2002/2/1)